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2016年1月25日 (月)

一音一会

他の方のオーディオシステムの音を聴く機会が少ない。

聴かせてもらう機会があっても、自分には確認という行為になる。

 確認後の自分の認識体系への情報インプットになってしまう。

金満システムをこれ見よがしに聴かされても、私はあまり褒めることがない。相手の方からすれば、いやな人間だと思う。

そんなシステムに興味がないのだ。秋葉原のダイナミックオーディオが薦める機械を欲しいとも思わない。

1台100万円のモノラルアンプを2台、欲しければ差し上げますよと言われても、断わると思う。家に置いてもまず聴かないし、狭い部屋では邪魔になる。

 何に興味があるのか、と問われれば自分の製作したアンプを他の方がどう評価するのか、ということ。

 球やトランスが集まると、アイデアが湧いてくる。決して高価なトランスでなくても、球や回路の組み合わせで、音を考えていく。

 昔のメーカーのチューナー付きの総合アンプに使われていた、15W程度の古い中古トランスでも、使いようによっては、近代アンプの音を出すこともあるし、その当時の香りが隠し味で再生されることがある。

 なぜ昔のトランスがそんな音を出すのだろうかと考えることもある。ひとつの推論に過ぎないが、半田付けの箇所の数、当時の半田の質とはんだ内部の経年劣化ではないかと。

昔のアンプはチューナーがあったり、トーンコントロールがあったり、昔のコンデンサ、抵抗も起用もあり、これらがたくさんの半田で固められているので、組立直後からそれほど鮮度がよくなかったのではないかと思う。

そのままで40年以上経ってしまうと更に鮮度は落ちることは間違いない。

そしてトランス本来の実力が、発揮されないまま、廃棄されてしまったアンプも多かったのではないかとも考える。

 その証拠に、当時のトランスを例えそれが40年前のものであっても、新しく組み立てたアンプに使うとハイファイになる。

 それを知っているわたしは、現在の高価な新品のトランスを買わなくなった。

錆びたトランスほど、愛おしい。そしてコンボとして球や、気に入っているパーツを起用してグループにしてやる。

 決してKT88などの大型のアンプでなくても、気に入った音を出すことがある。6BM8でも、これが6BM8の音とは思えないと言ってもらったことがある。

どのパーツを使うか、自分のパーツ箱や、オークションを見ていると、アイデアが湧いてくるのだ。まるで料理人になったような気分だ。

決して高価でなくても、どこにもあるような材料でもいい音のアンプはできる。必要なのは工夫すること。しっかりカラゲて半田付けすること。

おかしな話だが、見た目のデザインが良ければ、音もよく聴こえるものだ。これは本当だ。

自分が気に入らないアンプを、他人に引き渡すのは失礼だと思う。自分が気に入ったアンプでさえも、やはり他人の方の評価を聴かせてもらうまで、非常に不安になる。

未だに、こんなアンプは使いたくないので返品したい、ということがない。その事実のみが救いで安心材料となっている。

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オーディオひとりごと」カテゴリの記事

コメント

オッカイポさん、お元気ですか。
私も新たに入手した、古いトランスは、しばらく汚れたままで、部屋の中に置いておくことにしています。飲みながら眺めます。キズやサビ、どろどろの汚れは、言えばトランスの勲章だと思うのです。
 汚れで経歴を想像します。ぐにゃと凹んでいるものはあまり見ません。丈夫に作られているからでしょうね。
 極端に短く切られたリード線をみていると、作者がこのアンプと心中させるつもりで、切り詰めたのだろうと考えたりします。
 錆びの状態を見ると、退役して屋外の倉庫に保管されたままで、雨露に耐えながら何十年もそのままだったのだろうと考えたりします。
 そうして、そのトランスを使うと決めたら、汚れを布で吹いたり、錆びをサンドペーパーで落としてやり、傷も表面を滑らかにしてやります。
 その間「待ってろよもう一度見違えるほどにドレスアップしてやるからな」と話しかけてやるのです。
 仕上げの塗装が終わった時は、入手時の状態とはうってかわって、綺麗になります。
 そこでまたしばらく眺めてやるのです。「お前はハンサムになったなあ。タンゴのFEにも負けてないぞ」。
 「また信号を入れるからしっかり、声を出してくれ」
 そして、しっかりした回路、半田付け、実力のあるパーツたちといっしょにアンプにしてやるのです。
 まず間違いなく活躍してくれます。復活しなかったトランスはまだないのです。
 ほんとに可愛い物です

こんばんは。ご無沙汰しています。

古いトランスは、雰囲気というか、おもむきというか、何とも言えない味がありますね。その昔、中卒や高卒の工員が、額に汗して製造したトランスには、感謝の気持ちがわきます。そんなトランス達が、音楽を伝送くれる事にも感謝です。

私も古いトランスを手に入れると、アンプ製作の意欲が高まります。現在、ラックスSS5B5をながめながら、45シングルアンプの構想をねっています。いつものように完成まで1年以上かかると思いますが、それだけの期間、トランスを手に取りながら、美味いお酒を飲めるので、こんな良い趣味は無いと自画自賛しています。

かまいちさん、昔オーディオフェアで宍戸さんのアンプを扱うお店のデモで、トリタンのアンプを聴かせてもらったことがあります。とてもクリアでパンチがきいていました。 
 でもタンゴのトランスの価格や、それを使い続ける可能性を考慮して、距離をおきました。
 オーディオは個人の中でもブームがあると思うのです。直熱三極管シングルにはまる時期。トリタンにはまる時期。欧州管に入れあげる時期。人により5年周期かもしれないし、10年周期かも。
 なのでトリタンもいいし、牛タンもいいとなるのでしょう。

トニーさん。たびたびご回答有難うございます。本当にありがたいです。

なんで「トリタン」に今日はこだわるかというと、練習用にこんなブログを書いたからでしたw。お暇な時にご覧下さい。失礼しました。

http://seijisisou-tetsugaku.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-780e.html

かまいちさん、6C33Cがベストということでもないでしょうね。落ち着いてスッキリして押しは強いですけど。いろんな選択肢があるから、楽しみがつきないのでしょうね。6BM8でトリタンの音はちときついですね。迫力を出すなら前段差動もいいかもしれません。
 私はペルケさんに自作のアンプを聴かせてもらったことがあります。迫力はありました。定位はシングルアンプと同じような印象でした。
 何台か作っていると、頭の中で相関図というか、アンプと音の相対図表みたいなものが、できてくると思います。ゆっくりで結構ですので、トライされてはどうでしょうか。

トニーさんご返事ありがとうございます。

…とすると6C33が、最強ということになりますね。
しかし、あれは電源もトランスもめちゃめちゃコストがかかりますね。
6BM8で試みるにはどういう回路がいいのですかね?
やはり、「ぺるけ」さんの全段差動回路ですか?

質問ばかりで申し訳ありません。
要は低コストのMT管で、トリタンの音が出ればいいなあといつも思っているのです。
無理かなあ…。
失礼しました。

基本原則は、面積の大きなプレートにたくさんの電流を流せる球ほど、迫力と押し出しは強いです。
 但し、音色のキレとか、鮮明さとかは、トランス、パーツ、回路で補える部分があります。6BM8でもです。

うーん…
そうですか…

かまいちさん、こんばんは。人は感じ方が様々です。6BM8で、余裕たっぷりに聴こえる方もいます。  だから面白いと思います。何しろ真空管アンプビギナーでその魅力に目覚めたばかりの方は、どんなアンプを聴いても凄いと感じてしまいますね。

 経験豊富な方は100dBのスピーカーを50Wのアンプで2Wで鳴らすのと、2Wのアンプで2Wで鳴らす違いを確認できると思います。「まだまだ余裕たっぷりよ」、というのと、「これで目いっぱい、歪も多くなってるしきついよ」みたいな感じで。
 

激しく同意します。
私的には、6BM8(T)PPアンプで、トリタンのあの高域と、地鳴りのような低音が出ないかと思っているのですが、これって、身分不相応な?巨大なコアのトランスをおけばいいというのではないですよね。でもそれが達成できれば「勝利」だと思います。
私のスピカ―は能率100db/mなので2Wもあれば爆音が出るのですが、まだ試していません。

「出力余裕」というのはどういう風に考えればいいのか未だにわかりませぬ…。
失礼しました。

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