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2015年9月21日 (月)

読者の方が作ったアンプ その9

関西地方に在住の藤本様。以前Fさんとお呼びしていたのですが、個人名を出すことはOKとのことで、改めて藤本様のアンプを紹介します。

藤本様は私と同年代。学生時代に技術誌にアンプの製作記事を投稿され、武末数馬さんに批評していただいた経験がおありです。

その後も、アポなしで関西から、九州の武末さんの自宅まで押し掛けたことがおありだそうで、本当に若いころのエネルギーとは凄いものだと感心いたします。

さて何十年ぶりかの自作アンプです。回路の構成、製作技術、出来栄えはかなりのレベルです。

回路図

F

平滑回路用コンデンサ

P1070897

配線途中。平滑回路のコンデンサは、プリント基板に実装されているようです。要所に端子板が設置してあります。

P1070983

アース母線を張り巡らしてあります。

P1080045

アース母線にパーツを取り付ける手法です。手馴れた印象ですね。全体的にまとまっています。

P1080088

落とし込み部分が白くなっています。なんだろうと不思議に思ったのですが、落とし込みのサブシャーシが白く塗装されているようです。

P1080097

斜めカットしてある角材。

P1080021

シャーシ周囲の木枠です。うつくしい。

P1080123

斜め上から。ハンドルがしっかりしています。

P1080127

後姿です。ACインレットや入力やSP端子などの配置は、本当に製作者の個性がでます。

P1080144

さて、以下が藤本さんからのアンプ製作に関するコメントです。

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■はじめに■

トニーさん、こんにちは

ようやく6BQ5(T)アンプが、完成しましたのでご報告いたします。

■初段回路■

[6AQ8]のSRPPとし、ゲイン32.7dBを稼ぐ。

次段の位相反転回路とは、直結とする。

その為、プレート供給電源B3は、VR3(103)で可変とする。

■位相反転回路■

[5687]のカソード結合型(リーク・ムラード型)とする。

出来るだけ、たっぷりとIpを流す。【7mA】

ここでのゲインは、14.7dBである。

■出力回路■

[6BQ5(EL84)]の三接にて出力5Wを目標とする。

当初、カソードフォロワーにてAB2級動作を考えたが、パワートランスの容量

から断念。おそらく7~8W狙いも可能か?

[LUX OY-15]には、少々勿体ない使い方ではあるが、これも「こだわり」である。

■電源回路■

パワートランス [LUX 8A40]

チョークコイル [LUX 4710]

シリコンパワーダイオードは、富士電機の逸品[DS1K]を採用

コンデンサーチャージ突入電流緩和の為、石塚電子のパワーサーミスター

[16D-13]を採用する。【[DS1K]保護で効果があるように思う】

バイアスC電源は、ヒータータップ6.3Vを両波倍電圧整流として何とか設計目

標電圧を得る。この為ダイオードは、手持ち品で出来るだけ順方向降下電圧VF

の低いサンケン[RM1]を採用

■使用部品■

半固定ボリュームは、コパル製の[RJ-13]シリーズ

【電力容量0.75Wで信頼性が高いと思われるので好んで採用】

配線材は、UL AWM1007 22AWGを使用。但し、ACラインは20AWG、また出力トラ

ンス2次側は18AWGとする。

ハンダは、アルミット製KR-19 RMA

フイルムコンデンサーは、SHIZUKI製のメタライズド・ポリエステル[TME]シリ

ーズ

■考察■

中国製の陸軍端子の作りの悪さには、開口した。ナットを締め付け固定すると

ある時点で空回りするのであった。別に過大なトルクで締め付けたつもりは無

い、よく調べるとターミナル接触面の平ワッシャ(1㎜厚)にタップが入っており

それがバカになっていた。1㎜厚にタップを入れるか?仕方なしにハンダで補強

する。

設計当初は、電源トランス280Vタップを使用する予定でしたが、実際のB電圧

が、高くなり260Vタップに変更する。また[6BQ5]のプレート供給電圧の上限も

越えていた【Eb0=312V】ので安全策を講じた。【Eb0=292V】での動作点の引き直

しを行った。

タマは、事前に動作テストを行いバランスの取れた選別球を使用したので、

各部電圧、電流ともほぼ設計値となった。

以上

藤本

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いかがでしょうか。カッコイイアンプですね。本格的な試聴記事もお聞きしたいものです。とにかく久しぶりにアンプを作られたことが素晴らしいです。

読者のアンプを見ていると、励まされるし、燃えてきますね。また頑張ろうっと。

adesu

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アンプ製作記事」カテゴリの記事

コメント

藤本さん

コメントありがとうございます。

白に見えたのですが、サブシャーシはライトグレーだったのですね。
塗装は結構本格的ですね。私は塗装が苦手で、焼き付け塗装などは全く知識がありません。活着力は強いのでしょうか。

ハンドルの件参考にされて購入される方もいると思います。木枠は固定せず乗せているのですね。

デザインは確かに伊藤喜多男さんの影響は感じます。電解コンデンサ部分は近代的な印象です。

丸い半田付けが武末さんの影響とは知りませんでした。氏家さんは、武末さんの影響なのですね。こんど半田付け方法を教えてください。丸くなるのが不思議です。

カソード結合の部分は、私も1MΩと0.47μFでやっていましたが、最近は手持ちの関係で1μFのものを使うことがあります。

300mS以上とはどうやって確認したのでしょうね。私にはわかりません。
もしやってみるなら、同じアンプで、ここの時定数を数種変えながら、周波数特性を測定すればなんらかの傾向がつかめるのでしょうが、余裕がなくそこまでやっていません。
 測定可能な環境にはあるのですが。ここの時定数まで気にしていませんでした。

引き続き製作記事の投稿を期待しています。
今回はありがとうございました。

トニーさん、おつかれ様です。
ご紹介、本当にありがとうございます。
さて、読者の方からコメントも頂いておりますので以下、ご報告致します。

①残留ノイズについて
分解能の高いDMMがあればよいのですが、視聴覚的にお答えします。
無負帰還、入力オープン状態でわずかにノイズを確認しております。
歪率計やVTVMがあれば…
②塗装について
写真では、光源の関係で表現出来ませんでしたが、シャーシは、ブルーメタリック(自動車補修用)サブシャーシーは、ライトグレーに塗装しております。アルミ下地処理(プライマリー)および簡易焼き付け塗装(電熱ヒーター)となっております。しかし、素人ですのでやはり塗装ムラはあります。
③ハンドルについて
一般建築資材の[ドアの取手]を利用しております。クロームメッキで見栄えも
良好で、しかも安価(対で300円程度)皆様にお勧めです。
④デザインについて
実は私も、故伊藤喜多男氏の作品に多少なりとも影響を受けていると思います。
⑤木枠の上下固定について
ご想像されるとおりで、固定しておりません。出来るだけ表面にビス頭を出したくなかったからです。
では、何故ハンドルが?
「緊急オペ時にすぐに{はらわた}が見られる様に」
するとアンプの移動の際は?
「ウラブタと共に持ち上げます」
それでは、ウラブタはアースに落としていないのですか?
「実は、ウラブタにバナナプラグを利用し
内部でFGターミナルへ接続しております」
変なこだわりですネ
「はい、変なおじさんです」
⑥丸ハンダについて
これも、変なこだわりです。決してイモハンダでは、ありません。
師匠である(私が、勝手に思い込んでいるだけで、ご本人の了解は得ておりません)
故武末数馬先生の見様見真似です。
手法と言っても、たいしたワザではありません。
コテ先は、ごく普通の竹槍カットのものを使っています。通常のハンダ付けはこのカット面で行っておりますが、最後の仕上げとしてカット面の先端を利用します。
コツは、被ハンダ部分の余熱を充分取りさってから「チョンチョン」とコテ先先端部分でハンダ線を足して行きます。また、余熱を取り再度ハンダを足して行きます。
するとハンダ自体が表面張力?で丸く収まります。
別の表現で、ハンダの上塗りかもしれません。
後日、綿棒とアルコール(焼酎ではなく)でフラックス分を落とす予定です。
⑦本格的な音出しについて
近々、我が家の古ーい[DIATONE-DS32B]を引っ張り出してみます。但しエッジの劣化が気になります。
⑧5687ムラード回路について
疑問点があります。
グリッド回路のRgとC1の設定です。これは、ほとんどの製作例を見ますと
Rg=1MΩ C1=0.47μFとなっており、時定数470mSを持って
おります。
ある書籍で調べると「時定数は300ms以上に取る」との事でした。
ところが、黒川達夫氏の5687ムラード回路では、Rg=330kΩ C1=1μFで設計されており本機もこの定数を採用しております。
では、この定数はどのように算出するのでしょうか?
ご教授願えれば幸いです。

藤本和哉

KAORUさん、コメントありがとうございます。藤本さんは回路設計から、製作、仕上がりと技術レベルの高さを感じます。
 以前私が、「回路図を読もう」シリーズをブログに書いていた時に、質問をくださり親しくなりました。

半田付け部分をよく見てください。丸くてきれいな仕上がりです。徳島のラジオ技術誌のライターである氏家さんのようです。私にはできません。
 確かにシャーシが木枠にネジ止めされているようでもなく、乗せているだけなのでしょうか。
おそらく木枠の写真で細い木が2本、木枠に沿って写っていますが、これを内側からネジ止めしているのではないでしょうか。
 底板は裏からネジ止め、シャーシ天板は乗せているだけかもしれませんね。

トニーさんステキなアンプ、紹介有難う御座います。

ブルーをベースに真っ白なサブシャーシ、コントラストがとても美しいですね。
シャーシ塗装は800番~1200番で下地を造り下塗りをしてから本塗装するのですが、満足できるまで
至っていません。
ハンドルもステキです。ゴム足が薄いと裏返すのに
重いアンプはけっこう大変です。
はらわたも、平滑回路はプリント基板にまとめられ
全体のバランスも良いし、抵抗類の折り曲げも丁寧
で作者の心意気を感じます。
アンプの神様、伊藤さんが言ってましたが
「見た目の悪いアンプは良い音が出る訳がない」と

木枠とシャーシが固定されてないようですが、一寸
不思議です。

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