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2015年7月

2015年7月29日 (水)

KT88PPアンプの製作 ⑤レイアウト決定 真空管のピッチも重要

アンプの上に並んだ真空管たち。

プッシュプルで出力管が4本並ぶと壮観ですね。

私は出力管達が、互いにどれだけの距離を開けて並べればよいか、いつも気にしています。

間隔が広いほどいいのか、間延びしないか。狭いほどいいのか、せせこましい感じがしないか。

真空管の最大外形をD(直径)とします。並んだ真空管のセンター位置からセンター位置までの距離をP(ピッチ)とします。

ならんだ真空管同志のスペース、つまりガラスとガラスまでのスペースG(ギャップ)は

   G = P - D  になります。

807という肩のはった、真空管の最大外形Dは55mmです。

この形の球は出っ張り部分がギャップを作ります。この場合ギャップは10mmや15mmでもくっつき過ぎの印象はありません。なぜなら、それ以外の部分は離れているから。

807pp2

これがEL34ならそうはいきません。この球の形は直線の棒ですから10mmギャップで近付けると、上から下まで10mmになってしまうからです。くっつき過ぎの印象になります。

私は807、300B、6L6Gといった肩張り形状真空管はGを10~15mmに決めています。

ということは P = G + D で計算して、G=10なら

   807、6L6G : D = 55

   300B: D = 65

で Pはそれぞれ 65 や 75 になるということ。

もっと明確に言えば、これらの形の球はP=70前後にしているということです。 過去の経験上、ちょうどこの値が、格好良く感じると思っています。

これがEL34なら、G = 30 前後かな、というところです。

これも個人で好みが違いますので、あくまで参考程度に考えてください。

さて今度はMT管です。私はMT管の横並びのPは55ないしは50にしています。Dが20程度なのでGは35から30程度。

Pの50はこれが限度だと思っています。それはラグ端子の大きさからくる制約です。

Img_1381

これはラグ端子が2個ぴったり、隙間なくならんでいる状態です。ラグ端子の各端子間のピッチは10mmです。

なので、これ以上ピッチを狭めると、ラグ端子が取りつけられません。

以上からMT管のピッチは50ないし55にしているのです。

さて次は、前列のMT管の横並びのセンター位置と、その後ろに並ぶ出力管の横並びのセンター位置間の距離です。言えば前後の相対位置。

Img_1370

KT88のDは50。MT管は20です。私はこの場合、前後のセンター間を60mm前後にしています。KT88とMT管の前後のGは60-[(50÷2)+(20÷2)]=25 になります。

ガラスとガラスの間が25mmあるということ。この前後の数値が一番見栄えがよいと私は考えています。

逆に300BはDが65でGを25にするなら、センター間は逆算して、67.5 にすれば見栄えがよくなると考えています。

最後に後ろのトランスと出力管のGは。私は余裕があれば25mmは離したいと考えています。放熱の問題もありますので。デザイン上10mmのアンプも世の中のガレージメーカーのものにあります。トランスは100℃まで大丈夫という理論に従ったものかも知れません。それがそれで否定はしません。

以上です。過去製作したアンプはだいたいこの数値に沿っています。どのアンプをみても 「LUTHER BROTOHER」のアンプは統一したデザインを感じる、というのはこういった背景があるからだと考えています。

 ただしこれらは、私が設計した場合です。皆さんは、これに従う必要はなく、少し違う寸法で設計されても、もちろん構いません。

それがオリジナリティーというものです。MT管ではなくGT管を使用するとまた、違ってきます。要は何とおりも位置を変えて、納得いくまで、デザイン検討をすることが大事です。これで決まった、と思うデザインで数日間眺めてみるのもよいことです。私は通常トータル2週間、レイアウトで悩んでいます。

変にこだわるおじさんの独り言だと思ってください。

レイアウト編は以上で終わります。またシャーシ加工が始まれば、ノウハウを書こうと思っています。しばし休憩いたします。





2015年7月28日 (火)

高音質レコード ゴーンの正体

先日の高音質レコード。

Photo_2


ルー・タバキンのアルバム。

A面2曲目、センチメンタル・ジャーニーの演奏。ドラムのD・リッチモンドが後ろで凄い音を出すのです。

ランディー・ブレッカーのトランペットソロの中盤からそのあとにかけて、ドラムの出す複数の音の中からゴーンという音。さらにこの音は続くL・タバキンのソロのときも聴こえます。それほど大きな音量でもないのですが、迫力があります。

SPの右端から聴こえます。あまりに生々しい音なので最初にきいたときは、レコードの音ではなくて、家の中での何かの生活音が鳴ったのかと思ったくらいです。

今日、もう一度集中して聴いてみました。大きなぶら下がった桶を叩いた時のような音。

でもやはりドラムセットの中から聴こえます。フロア・タムでしょうか。胴鳴り音がよく響きます。フロア・タムってこんな音がするのでしょうか。右端に位置してましたっけ。

ドラムセットに疎い私には判断がつかないのです。

この曲ではベースソロも楽しめます。いい音で、太くて豪快なソロです。高音質録音もこのソロをサポートしています。

でもドラムのこの数少ない音の方が、迫力があって一撃必殺です。

アナログ再生システムをお持ちの方は是非このレコードと、もう一枚のB・ウォレスのレコードも入手して実際にお聴きください。

おそらく皆さん驚かれると思います。これらを聴かずして、なにがアナログだといいたくなるようなレコードなのです。

このアルバムのライナーノーツに、このレコードを含めた5枚でシリーズになっていると書いてあります。東芝、EAST WORLDレーベルの83年頃の録音。いずれも秋吉敏子さんがプロデュースされているとのこと。捜せばあと4枚見つかるかもしれません。

敏子さんは、ひょっとして東芝から派遣された日本人の録音技師たちに、ニューヨークにいいスタジオが無いかと聞かれ、スタジオ紹介料として、プロデューサーのところに名前がクレジットされているのかもしれませんね。

もちろんこれは私の邪推に過ぎません。

KT88PPアンプの製作 ④レイアウト決定 シャーシ面積と高さに注目

私はアンプのトータルデザイン(分かりやすく言うと見た目の印象)にシャーシの大きさの影響が及ぼすところが大きいと考えています。

小さいシャーシ。コンパクトさを目的とするなら、それもありです。但し配線・実装時の苦労は増大します。このあたりは、自分の腕と相談になります。予めサブシャーシに真空管まわりは全部実装しておいて、最後にとりつけて終わりという手もあります。

小型アンプの例です。230×150mmでした。

Photo

逆に部品に対して大きなシャーシ。あまりデザインを考慮せずに、最初からこの大きさでいいかな、という考えで作られたアンプには、大きなシャーシのものが見受けられます。このアンプ、それほど大きくて間延びしているわけではありませんが。

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ただ、なんとなく手前のスペースやトランス間の隙間が気になるアンプです。手前のスペースはシャーシ内の配線を考慮してのことかもしれません。でも本来の球の放熱を考えれば、隙間は合った方がいいのかも。

私は、あまりシャーシが大きいと間延びした印象になるので、必要以上に大きくしないようにしています。

まあまあかな、と思うのは、シャーシの面積に対する、トランスや真空管、コンデンサなどのパーツの塊を実装面積と考えると、占有率(=実装面積÷シャーシ面積)が90%前後なら、見た目精悍で機能的なアンプになるのではないかと考えています。

この300BPPは92%です。

300b1


300b2

この42PPは85%程度。

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6BQ5PPは92%程度

Img_1226_2

武骨807PPは90%。

807pp2

それから、もうひとつ、シャーシの高さもデザインを決める重要なファクターであるということ。

400×280ミリ程度のシャーシだと、大体シャーシの高さは55mmから60mmの範囲に設定しています。

上の武骨は60mmです。やや印象として重厚感がでます。60mmまで高くしているのは、トランスや真空管たちの背が高い場合です。

55mmになるとスマートな印象になります。さらに上の写真の300BPPは55mmです。

薄くすればどんどん精悍になります。タカチSRDでは40mmのシャーシがあります。やはり薄いと今度は、大きな部品がシャーシ内に収まらなくなるという弊害が出てきます。

浅野勇さんは薄いの大好きが嵩じて、20mmの木製単板にアンプを組まれていました。

シャーシの高さをデザインファクターとして考慮しましょう。

60mm高さで、球は6L6GCの小型、トランスも高さ100mm程度にすると、ズングリした印象になりますし、あえてその印象を狙ってもいいでしょう。

いかがでしょうか。デザインがある程度自由に設定できるのは、やはりある程度の実装経験が必要ですが、一度苦労してみると慣れてくるものです。

今後の参考にしていただければ幸いです。

2015年7月26日 (日)

お中元にいただいた高音質レコード

突然お中元をいただいた。もうこの年になると、人からあまりプレゼントをされることがないので、とても嬉しい。毎年誕生日に家族からもらうネクタイも嬉しくないとは言わないけど。

そのお中元は、2枚のレコード。ブログを通じてお付きあいさせていただいている、ウッチーさんからの貴重な品物である。

ウッチーさんはプロのジャズメンであり、音について造形が深く、オーディオ機器も自作されるかた。

そのウッチーさんご自身がブログで取り上げたレコード2枚。

その時のタイトルが「採算無視的録音盤」

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ベニー・ウォレス 93年録音


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ルー・タバキン  83年録音

音がよいので、是非聞いて欲しいと。ブログ掲載後、中古レコード屋をパトロール中に見つけたので送りますと。このレコード達を見つけた瞬間、聴かせたい人物として私の顔を思い浮かべていただいたことがうれしいじゃありませんか。

それでは、準備万端、家人のいないときに、部屋を閉め切って、やや大きい音で再生しました。

ベニー・ウォレス。彼のアルバムはCDで1枚だけ持っていました。テネシーワルツが入ってるやつ。

彼の印象は、変化の多い演奏をするプレーヤーだなというもの。

さてこのレコードを聴いての第一印象は音がすごくいい。これだけじゃ分かりませんよね。

情報量が多くて、エネルギッシュで、レンジが広い。今まではCDがアナログレコードに近づこうと努力していましたが、このレコードは逆で、レコードがCDに近づいた印象です。

とにかくクリアできれい。じゃCDとどこが違うのかと言えば、音の持つエネルギー、実在感です。

重たい物同志がぶつかった時に発するような力感や衝撃音はアナログならではです。CDからは出てこない音です。

ベースは弦が唸る様子がよくわかります。ルー・レビーのピアノは残響処理された中でも、クリアで余韻まできれいに再生されます。エンディングに鍵盤の力を抜きながら、音を小さく小さくしながら、終わるのですが、その時もかき消されずにしっかり聴こえます。

ベニー・ウォレスの音はけっこう芯のある音だと分かります。

ルー・タバキンの方は日本人がニューヨークに乗り込んで、思い切り贅沢な方法で録音しています。バブルの頃でしたし。レコードのクレジットにプロデューサーとして奥さんの敏子さんの名前がありますが、彼女は演奏にも参加していません。

スタジオにもいなかったんじゃないかな?名前をクレジットすると収入も増えるし、旦那さんがそうして欲しいと希望をだしたのかも。まあ日本はバブルでしたから。

さて、こちらも音がいいですね。ベニー・ウォレスのアルバムと共通する音がします。共演のランディー・ブレッカー。トランペットの音が瑞々しくて、柔らかいのです。

 A面、エンディングで、皆で合せてロングトーンで終わる曲がありますが、そのときルーはフラジオという奏法で音を出しているのですが、これも良く聴こえます。

ドラムがときどき右後ろからゴーンという迫力ある音を出します。これ何をどう叩いているのでしょうか。

総じてまだまだアナログはやるべきことがありますね。録音の際にケチらない。

ウッチーさんが言うところの、アナログ録音でも2トラックのテープで30 ipsで録音したものは高音質録音になる、このクレジットのあるレコードを捜せば間違いないとのことです。

昨今、アナログ回帰でまたレコードが再発売されています。これをただの流行で安く仕上げて大量に売るのではなく、じっくりいい音で録音すれば、またレコードの第二の人生の寿命も長くなると思うのですがどうでしょうか。

この2枚のレコードは、今まで私が聴いた中で、最高の音質でした。こんな音がレコードから出てくることを初めて知りました。

アナログが本気になったらSACDなんて敵じゃないですね。

ジャズアナログファンの皆さん、この2枚は要チェックです。

ウッチーさん、素晴らしいお中元ありがとうございました。

KT88PPアンプの製作 ③レイアウト決定はシャーシ側板近くに注意

これも、過去から何度も申しあげていますが、シャーシの全面、背面にはたくさんのパーツが取り付けられます。

これらとシャーシ内の部品が干渉して、取り付け不能とならないように注意しましょう。

電源トランスの端子にぶつかってしまうヒューズホルダー。初段管のラグ端子にぶつかってしまうボリュームの金属ケース。私も過去、いろいろやりました。

ヒューズホルダーなら短いものに交換する手もあります。ボリュームがラグ端子と干渉したときは、そこのラグ端子は取ってしまい、配線状況を変更して対応したこともあります。

 穴を明けて、取り付けて、しまったとなってからでは取り返しがつかないということ。

その対策として、取り付けられ部品がシャーシ内のどこまで出っ張るかを、レイアウト考慮中に確認しておくこと。出っ張る位置と、一番近くに来ている部品との間隔を確認しておくこと。

シャーシがまだなくても、方眼紙の上でも確認できます。平面だけではなく、高さ方向も確認しておきます。

 電源SW、VR、ACインレット、ヒューズホルダー、SP端子、RCA端子など、とにかく全部に対して確認しておきます。この作業も何台も繰り返していると、コツや距離感がわかってきます。場合によっては高さ方向に逃がして干渉を防ぐ手もあります。シャーシ側板のパーツ周りはご注意ください。

今まで3回記事を書きました。それぞれのノウハウのまとめは、記事タイトルの末尾に記載していますので参照ください。

2015年7月25日 (土)

サランダーのその後

先日、仕事仲間で飲み会があった。

私の生まれ故郷に在住しているかたも来ていた。そのかたは貨物会社の親会社に定年まで勤めていた方。

沖仲士の話で盛り上がった。ついでに今はどうやってセメントを積んでいるのか聞いてみた。

「現在は大きなダクトを船倉に引き込み、ブロアーで直接タンカー内に吹き出して積んでると思うよ」

ああなるほど。もう袋でひとつずつ積んでいくなんて、非効率的なことはしないのだろう。

沖仲士という職業も、もう消え去ってしまったのだろうか。

2015年7月23日 (木)

KT88PPアンプの製作 ②レイアウト決定は信号の流れを見ながら

前回はB電源、ヒーター配線、AC100V側の話をしました。今日はレイアウトを考えながら、信号の流れもイメージしましょうという話です。

Img_1370


今回のアンプはまだシャーシに乗っていません。信号の流れを確認していくと、まず入力端子は、私の場合はこの写真の左上に持ってきます。本当は前面に持ってくるのが、一番理想的です。なぜなら初段管は前面にあるから。

しかし、前にもってくると、今度は挿し込んだ入力ケーブルをシャーシの下を這わせて後ろから出してプリアンプに接続することになります。であれば、シャーシの後ろでよいのではないかと思います。

またイメージします。この写真を透視するように眺めて、入力から入った信号は、シャーシ左隅に沿うように前にきて、前面左のボリュームに接続します。

そうボリュームはこの写真の左下部分に配置します。今度はボリュームから初段管へ行きます。

初段管はどれでしょう。答えは5本並んだMT管の真ん中の球です。私はここでも悩みました。通常なら初段、位相反転、カソードフォロアーとMT管は片チャンネルあたり3本です。ステレオで6本。ただし写真をよく見てください。6本ならべるとスペース的に狭くなってしまいます。

よって初段は双三極管を起用して1本で左右のチャンネルに振り分けます。そうすると自動的に初段管は真ん中。位相反転段は手段を挟んだ左右の球に。カソードフォロアーはさらに5本の両端のMT管になります。つまり左右対称のシンメトリカルです。

信号はVRから真ん中の球に入り、左右に別れて、カソードフォロアーまで伝わって行きます。ここでカップリングコンデンサーは移動反転段とカソードフォロアー段の間にはいりますので、このMT管周囲に実装されることになります。合計4本。よってあまり大きなコンデンサーは使わないほうがよいことが分かります。

信号はカソードフォロアー段から、出力管へ流れます。そして出力管からOPTの一次側に入ります。その次はOPTの二次側からSP端子です。

もうお分かりですね。シャーシのどの辺に信号用リード線を引き回すかイメージできると思います。

2015年7月22日 (水)

KT88PPアンプの製作 ①レイアウト決定は内部を想像しながら

もうシリーズに登録しました。今回は①です。

このアンプは、製作ノウハウ紹介シリーズにしたいと思います。

私が、どんなところに気を配っているか、何を悩んで、どう対応しているかを、できるだけたくさん開示していきます。

もし自作される方で、ご興味がおありなら、最後までお付き合いください。

私も最近ではどんどん視力が落ちてきています。1時間文字を見ていると目が痛くなって涙が出てくるようになりました。加えて難聴気味です。情報を伝える力がまだ残っているうちに、ノウハウを開示しておこうという気持になりました。

それほど大した内容ではないかもしれませんが、ひとつでも参考になることがあれば、私も本望です。

今回はレイアウト決定です。先日の記事で、もうレイアウトは決めたとお伝えしました。

Img_1370

実はレイアウトを考えながら、同時に内部配線やシャーシ内のどこにバイアス回路を置くかなども考えています。

このアンプのレイアウトでは、B電源、ヒーター配線を上から透視するように見て考えます。

先ず電源トランス(以下PT)の向きです。実際に端子がシャーシ内に配置されたときはひっくり返りますから、100V端子、ヒーター端子、高圧端子がどの位置にくるかをはっきりさせておきます。私は100V端子がシャーシの背面側近くにくるようにしています。これで端子位置が全て決まりますから、次はB電源の配線を考えます。

ダイオード4個とブロックコンデンサーとチョークコイルで構成されます。コンデンサとチョークは位置が決まっていますので、配線も決まってきます。チョークから2本のリード線がコンデンサの方にいくことが想像できます。

コンデンサは2本あります。1本ずつチョークの前後に入ります。2本あるコンデンサーのどちらをダイオード側にするかを決める必要があります。

私は通常シャーシ背面に近い方をダイオード側にしています。手前のシャーシ中央に近い方をB電圧側にすると、B電圧端子への各パートからのアクセスが容易になるからです。

次にダイオードをどこに持ってくるかを決めます。このラックスのキット用PTは余分の遊び端子があり、トランス上に4本のダイオードを実装できます。

それが不可能なPTもあります。そのときはラグ端子をどこかに設置して、そこに実装します。写真をみてどのあたりがよいと思いますか。

私はブロックコンデンサー取りつけネジにラグ端子を友締めします。ブロックコンデンサのネジはいつも45°の角度をつけています。2本ならぶときはこうするとせまいところに、ネジが4個置けるからです。

ラグ端子はPT側のネジに取りつけます。ラグは5Pで真ん中がアースになっているものを1個。ダイオードはPTの端子から直接だしてラグ端子に持ってくるようにすれば1個で足りると思います。この辺りは、メモ紙に実態配線図を描いておくと、あとから楽です。

自然とB端子が中央寄りのコンデンサの端子になることが分かります。B端子から出ていく線はOPTの一次側B端子(左右とも)です。それから前段回路(MT管周囲)へのデカップリング回路です。普通この2種だけです。

写真を見ながら、上からだいたいこの辺りを這わせるんだなあと分かってきます。

そしてもう一つやっかいなのはヒーター配線です。6.3V・3A巻き線が3巻の場合、出力管のヒーター電流が1.5Aなら、左右2本ずつを3巻のうちの2巻で賄えますので、残りの1巻で前段管5本を全てまかなうことになります。この5本の電流の合計電流が3A以下であることを確認していおきます。

もしヒーター巻線が5Aずつ2巻しかないなら、出力管は2本ずつ2巻に別れますが、前段の5本を2本と3本に別けて、この2巻に分けて接続するなど考慮します。基本はヒーター電流の合計が巻き線電流容量を越えないことです。

但し私の過去の経験から3Aの巻き線から3.2Aのヒーターを点火させても大丈夫でした。高圧巻き線の使用電圧が300V、400Vと端子がでていて、300Vで使用で400Vが遊びなら、PTに余裕があり、ヒーター巻線が少々容量オーバーでも大丈夫のようです。

さてヒーター端子の接続がきまったら、ヒーター配線もおおまかにスケッチして、真空管のソケットの位置を注意して、実態図をポンチ絵(ラフな手書き図面)に書いておきます。

100VのPT一次側ですが、これはシャーシ背面のPT近くにACインレットとフューズがきて、シャーシ前面に電源SWがくるなら、おのずと配線は決まってくるはずです。私はいつもこの配線を白いコードにしています。白いコードはなるべくシャーシの隅っこに沿わせる、が定石です。

質問があればいつでもどうぞ。

以下 続く

2015年7月21日 (火)

KT88製作依頼アンプ

今年の1月にオークションに出品したアンプを落札していただいた方から、当時「他にもアンプを製作依頼したら、受けてもらえますか」と問われました。

「OKですが納期が読めませんので6月頃になります」と返事をしていました。

気が付けば7月も後半、遅くなって申し訳ない気持ちで、「覚えてらしたら、作ります」とメールを送ったら、出力管をすでに購入されて待っていらしたとのこと。

責任感じますね。それで武骨にはかわいそうですが、還暦過ぎて配線することにして、まずは製作依頼のあった方を優先します。

仕様は:KT88/6550、出力50~60W。プッシュプル固定バイアス。

依頼主さんはマッキントッシュMC240をお持ちです。以前落札いただいたアンプも米国製のOPTを使用していますので、今回は国産の優秀なOPTを起用します。

カソードフォロアーでドライブしながら、繊細でクリアな音を狙います。ターゲットはMC240の上位機種のMC275です。トンカツソースのような味の音がします。こってりというのでしょうか。ただ同じ音の真似をするつもりはありません。トンカツソースとは方向性の違った、綺麗で迫力があり、どんなSP、どんな音楽信号につながれても、破綻なく再生するアンプです。

依頼者さんからの要望事項があり、過酷な試練が立ちはだかっています。それは極力残留ノイズを低く抑えること。使用されているJBLのユニット075の能率が110dBもあるそうです。

わずかのノイズも再生してしまうとのことで0.2mV以下を実現しなければなりません。アースまわり、パーツや真空管の選別など試練が待ち構えています。

デザインの要望もあります。でもこちらは前回のアンプで気に入っていただいてて、任せてくださるとのことでした。そうなるとレベルを落とすわけにはいきません。

それでレイアウトを考えてみました。

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シャーシは40×28×5.5cm。なんの変哲もない標準的なデザインです。

この最近は出力管だけを前に並べて、その存在を強調するデザインが多くなっていました。

今回もそうしようと考えて、デザインも検討してみました。結果無理でした。

前面強調デザインは、球自身の形に左右されます。300Bや6L6GA、807といった、肩が張った、凹凸のメリハリを持った球はこのデザインが活きます。

しかしながら、EL34、6550といった球はこのデザインではパッと見さえません。EL34は細い棒だし、6550は頭が丸い太い棒です。KT88も肩はありますが、なで肩です。

よって今回は前列にMT管、背後に出力管を配置しました。一番下の真上からの写真をごらんください。

前後に2列ならんだ真空管たちとチョークコイルがひとつのグループユニットを構成しています。背後のトランス達から独立しています。

私自身、この構成・レイアウトが気にいっていて、もうこのデザイン以外ないと思いこんでいます。

固定バイアス調整用ボリュームの軸は、どこに持ってくるかで迷いましたが、チョークコイルと電源トランスの間で、シャーシ天板に軸の頭をのぞかせるようにします。普段は隠れて見えませんし、とても合理的だと思っています。

シャーシは今回、加工屋さんにお願いしようかと思っています。

2015年7月20日 (月)

サランダー ③ 最終回

ところでこのセメント積みの一連の仕事を説明すると、

①まずセメント工場から港湾内の倉庫にパレット上に40袋積まれたセメントが運び込まれる。倉庫内はひろく、何段にもパレットは積まれている。

③積み込み作業が始まると、フォークリフトが倉庫から、パレットを運びだし、タンカーが横付けされた岸壁の際まで移動させる。これを何度も何度も繰り返す。

④タンカーのクレーンを使って、岸壁上のパレットを高く持ち上げ、今度は船の船倉内にゆっくり下す。このとき我々は数を記録していくのだ。

⑤ここからが大変な作業になる。船倉に降ろされたパレットから5人がかりで、40袋のセメント袋をおろしながら、同時に船倉に積んでいく。ただ降ろしてそのへんに投げるのではなく、船倉にびっしり入るように、壁に沿わせてどんどん上に積んでいくのだ。最終的にきれいにびっしり、船倉内をセメント袋で埋めなければならない。船倉は上から見ると一辺が20m程度の広さだ。
 バランスが悪く積まれると、途中でセメント袋が倒れてしまうこともある。パレットが降りてくるのが10分前後で一回。これが何度も繰り返される。

この①から⑤までが港湾貨物会社の仕事。私のアルバイトの仕事は貨物の検数という別会社の仕事だ。

 船内で働いている人たちは、凄い体力だ。彼らはいわゆる沖仲士(おきなかし)。肉体労働の中でも最たる仕事だ。

40年前で、稼ぐ人は1日で2万円以上だとのことだった。もちろん毎日はできなかったと思う。

ある朝、若い男性が、クレーンに吊られたパレットに乗って、タンカーの倉庫に入って行った。どうやら、高校生のようだった。儲かるぞと誘われて、セメント積み降ろしにチャレンジしたのだった。体はそう大きくなくて、中肉中背だった。

仕事が開始された。いつものように、チェックシートを埋めていた。スタートして1時間と少し過ぎた頃、高校生が、パレットに乗って、甲板に上がってきた。

どうやら、体に限界を感じて、ギブアップしたらしい。それでも、1時間持ったのだから、たいしたものだ。結局バイト料はいくらもらったのだろう。

   パレットに乗ったり、昔は危険なことを平気でしていたものだ。もちろん今なら、労働安全衛生法からアウトだ。 そんなこんなで、夏のバイトは終わった。

今から考えると、自分がやったことはスト破りだということ。つまり、労働者側が要求貫徹のためにストライキを打つ。会社側としては、何とか営業したいために、アルバイトで賄うという行為のこと。誘ってくれた友人のお父さんは、所長だったのだ。 私は労働者に対して申し訳のない役割だったのだ。

さて、時は経つて無事に受験に合格した私は、入学前の春もこのバイトに勤しんだ。

今はどうなってるのだろう。このご時世、人を雇っていちいちチェックしなくても、もっと合理的な方法に変わってるのかも知れない。沖仲士の人達は、まだいるのだろうか。 現代のFAシステムにより仕事の場は無くなっているのだろうか。

2015年7月19日 (日)

サランダー ②

ギリシャの船でのバイトはおもしろかった。

船の名前は、綴りは覚えていないが、カタカナ読みで「アエイン・アフティス」とか言う名前だった。間違っているかもしれない。日本語の意味は幸運だとか、たしかそんな意味だったように記憶している。

 でも本当のギリシャ語はΣ(シグマ)とかγ(ガンマ)とか発音さえもわからない文字だ。結構船内は英語の表記があったので困ることはなかった。

甲板で仕事をしていた船員たちは若かった。5人くらいと仲良くなった。一番若いのは18歳で同い年。ロン毛で小柄でアイドルみたいな青年だった。こじつければモンキーズのデイビー・ジョーンズ風だ。彼はおとなしかった。

少し上に行って25歳くらいの、遊び人風の、レッドツェッペリンのボーカルのロバート・プラント似の男もいた。

一番年長に見えた男でも30前くらいだった。がっちりして、太い胸板に腕、胸毛が生えてて、短い黒髪の男で名前をコスタスと言った。彼の名前だけは覚えている。なまった英語でグリーク・アルミ-と言ってた。国の軍隊に所属していたようだ。

仲良くなると、向こうもいろんなことを聞いてくる。「おれは受験に失敗して勉強中で今はアルバイトで来ている」と言っても、受験だとか、浪人だとかはあまりギリシャの生活には無いようで、話がかみ合わなかった。

昼休み、ニヤニヤと笑いながらロバート・プラントが部屋に来いと言う。何人かで行ってみるととても卑猥な写真集を見せてくれた。アジアの女性ばかりが写っていた。おどろおどろしい雰囲気の写真集だった。

浪人中の若者には刺激が強すぎた。やるから持って帰れという。自宅に持って帰っても、こんな写真が家族に見つかったら大騒ぎになってしまうし、丁重に断った。

ロバート・プラントは歌を教えてやるという。彼に続けて同じように歌うと、ギリシャ人たちが笑う。

たぶん卑猥な歌なのだろうと想像はついた。逆にそこらじゅうに聴こえるように大声で歌ってやった。離れたところにいる年配の船員にも聞こえたらしく、ロバート・プラントは少しうろたえていた。

 ずっと仕事をしてると、横からチェックシートをのぞき込んでくる男がいた。コスタスだった。

 私が40と書くとそばで「サランダー」という。また書いたらまた「サランダー」。

どうやら40はギリシャ語でサランダーというらしい。サランダーを並べて楽しいかとコスタスが聞く。「楽しくはないよ」と答える。なんとなくギリシャ人の国民性がおぼろげながら分かってきたような気がした。

次の日、おもしろいことがあった。

若い船員たちが、船からおりて女性を取り囲んで、船に上がるよう促していた。

何だろう。アルバイト数人で甲板から見下ろした。日本人の女性だった。背が高く黒髪は長く、そこまではよかったが、顔は可愛くなかった。可愛くないというより、ブ○、あるいは○スだった。

彼女はいわゆる、外国船員相手の娼婦だった。我々と目が合ったときにバツが悪そうな顔をした。

仲介屋がいるのだろう。船内荷役の日本人のだれかが、口を利くのか、あるいはあっせん屋の日本人が船をまわって御用聞きをしているのかも知れない。

ロバート・プラントたちが彼女を船室に連れて入った。

私は若いロン毛の船員に、あの女性はやめとけと言った。

「なんでだ?」「可愛くないからだ」「なんで可愛くないんだ?」

回答に困ったが「日本人の男がそういうからだ」と答えた。

ロン毛はそれでも納得していないようだった。まあ、国や職業によって美意識は違うのだろう。

アルバイト仲間たちで、病気とか大丈夫なんだろうかとか会話した記憶がある。

今から40年前だ。当時はそんな状況だった。

2015年7月18日 (土)

サランダー ①

夏になると、大学受験の浪人中のアルバイトを思い出す。

私は瀬戸内のセメントを生産する街で生まれ育った。

 受験に失敗し、当時は宅浪と呼ばれた境遇にいた。予備校にも塾にも通わず、自宅で参考書と問題集とにらめっこしながら毎日過ごすという状況。

同級生たちは大学に入り、あちこち散らばっていたのが、夏休みになると帰ってくる。

友人の一人がアルバイトしないか、と誘ってきた。勉強漬けの毎日に嫌気がさしてた時期でもあり、一週間ならいいかと、親を何とかいいくるめてバイトを始めた。

港にタンカーが入ってくる。パナマ船籍などの外国船だ。その船に地元のセメント会社が何千トン、何万トンものセメント袋をぎっしりと積んでいく。

 船は2~3日程度停泊し、満杯になるとドバイやクエートといった国に向けて出航する。

アルバイトの仕事は、どんどん積まれるセメントの袋を数えること。検数と言われる仕事だ。

実際の作業はといえば、タンカーの岸壁よりの甲板の上に立ち、クレーンでパレットに積まれたセメントが、タンカーの中に消えていくたびに、チェックシートにその数を記入するという仕事。

パレットには袋が40個積まれている。一つが40Kgあるので、ワンパレット運びこまれるとセメントが1.6tずつ積まれることになる。そのつど40という数字をシートに記入していく。シートには40がどんどん並んでいくわけだ。

 岸壁とタンカーの底まで移動するクレーンは腕が長く、みてると壮観だ。単純なバイトだがこの仕事で注意することは、中には破れた袋もあるので、その数をクレーンが動いている時間内で正確に確認して、38という数字を記入することもあるのだ。

ある日、パナマ船籍の船の上で仕事をしていた。この日はどうもお腹の調子が悪く、猛烈にトイレに行きたくなった。しかし中座すると、パレットの数がわからない。

私は咄嗟にそばにいた、顔の真っ黒い小柄な船員に、「クレーンが一回行ったら、ここに40と書いてくれないか」というようなことを、拙い英語と身振り手振りで説明してトイレに駆け込んだ。

はやく戻らねばと、あせるほどトイレは長くなってしまうものだ。

甲板に上がると、船員の代わりにバイト先の社員の人が数えていた。その人は呆れた様子で「船員に頼むなんて、そんな奴は初めてだ」と笑っていた。

ふと見渡すと、向こうに船員がいたので、お礼かたがた手を振った。彼も笑っていた。

同じ船の50m隣のデッキで、仲間のバイト生が自分と同じ作業をしている。会社の人からは、船員よりも仲間に頼むように言われた。まあ、そのとおりだ。

何日か同じタンカーにいると、昼食時は船の食堂で、船員たちもいるところで食べるので顔なじみになることもあるのだ。船の中は、錆びた鉄と塗料と、油の匂いで満ちていた。独特の匂いだ。

船員たちと片言であいさつしたり、コミュニケーションがとれるようになったころに、船は出て行ってしまう。

次のギリシャ船のときは、船員たちも若くて、おもしろい連中ばかりだったので飽きなかった。

以下 続く

Q:アンプ製作に歪率計は必要でしょうか?

あるサイトにこんな質問が出ていました。

回答を見たところ、回答者はご自身の経験から、アドバイスをされていました。なかなか納得のいくものでした。

私ならどう回答するか、少し考えてみました。これでいいかな、というのが以下の回答です。

「お答え」

必要の有無は、あなたの作ったアンプの使用目的や製作台数、あなたの歪検知能力と、どの程度歪を気にするかにより決まってくると思います。

アンプの使用目的が、自分の部屋の中だけで使い、人にも聴かせず、歪に関してあなたご自身が疎い場合は、歪率計などという物は無用の長物です。

アンプの使用目的が、複数の他人に聴かせる、あるいは製作後他人に譲渡する場合は、歪率計で測定し、アンプの実力を把握したほうがよいでしょう。商品の実力・価値を確認し開示することは、製造者責任の観点からも重要です。

上記以外で、自分の作ったアンプ、ひいては自分の実力を確認したい場合も歪は測定したほうがよいかもしれません。ただし一生のうちに2台程度しか製作しない場合はコストの面から、歪率計の購入はもったいないかもしれません。

もっと合理的な方法を考えると、作ったアンプを知人にお願いして、歪率測定してもらうこと。ただで測定してもらえるとして1回の測定依頼で送料負担は往復2000円程度。でも4台、5台お願いしてると1万円近くかかります。

現在はオークションで中古の旧式の測定器が7千円程度で入手できます。してみると測定の必要を感じるのなら購入した方がよいかもしれません。

 私は中古の歪率計を6千円から7千円程度で3台落札し、動作確認後、簡単な操作マニュアルも作成添付し、再度出品したことがあります。でも実際の利益は1000円から2000円程度でした。手間暇考えたら殆ど儲けなし。

でもよいのです。世の中で出番のなくなった歪率計の再登板と、安く入手して使ってみたいという方の橋渡しとして、貢献できただけで私自身、納得いくからです。

デジタルマルチメーターと違って歪率計から得られる情報は1種類だけです。但し、球を変えただけでも、歪が下がったとか、NFの量を加減して何とか30W定格時で3%以下にしたい・1W出力時は0.1%以下にしたい、とか改良のための道具としても使えます。

以上長々と書きましたが、わずかでもご参考になる部分がありましたら幸いです。

2015年7月17日 (金)

ISOトランスの廃業をうけて

TANGOの廃業を受けて事業継続したISOトランス。

この会社もいよいよ廃業となりました。もうTANGOの新品のトランスは入手できなくなるのか、と思いきやまたまた後を受けて、製造を引き受ける会社が現れました。

WAVAC Audio Labという会社が、ISOからTANGOトランスの技術ライセンスを買い取り、TANGOトランスを製造する権利を得ました。

但し、スタートは限られた機種のみの生産でいくようです。おもしろいのはU-808が角形ケースに入って、新たな装いで登場するそうです。

これはTANGOトランスというひとつの世界を形成するものが、この世から消え去ることを忍びなく思った人たちが、保存に動いたということです。

価値あるものはこうして残っていくのでしょう。有形文化財と同じです。

しかしながら価格はやはりアップしています。無理からぬこと。

私はこれらTANGOの新品のトランスを購入することはもうないと思います。但し一般の製作マニアで一生のうちで数台しか自作されないかたは、購入されると思います。とりあえずは一安心ですね。

新品を買わない私は、あちこちの情報を捜しながら、埃とサビで汚れた中古品を物色し続けることになると思います。

還暦を越えたら、アンプはやめて、カートリッジやレコード収集にいくかもしれません。

気に入ったアーチストのアルバムをとことん集めるとか。

それも楽しみです。

2015年7月15日 (水)

ありえない事態

安保法案が衆議員を通過しそうです。

この法案に従がって、3要件がそろって、自衛隊が外国の軍隊と戦争をする事態はまずないでしょう。

問題なのは、こんな無茶苦茶な法案が多数決で可決されてしまうという、今の日本の政治状況です。

無知で恥知らずの政治家が、国民が理解していないのを承知の上で、好き勝手なことができてしまう、この状況こそが問題です。

国民の声を無視ししつづけたこの政治家、政党は、近い将来今度は国民から無視されることになるでしょう。

そろそろ、国民も選挙に白けて棄権してると、大変なことになると気付き始めていると思います。

政府は、ひどい法案を成立させても、どうせ選挙になったら、メディアを使ってアホな番組を垂れ流してたら、国民は無関心になって、投票所にはいかないだろう。低投票率に持っていけば、こっちのものだと考えているのでしょう。

何だか、世界中からひんしゅくを買っている、この政治家のせいで、日本の国民までこの政治家と同レベルだと思われたくないので、次の選挙では、今まで投票所から足が遠のいていた人も、誘おうと思っています。

2015年7月12日 (日)

コンパクトPP

大型アンプ、取り分け重量が25Kg級のものを作っていると、その重さゆえ扱いがいやになります。

今日、思い立って、PPでもコンパクトさを追求したらどうなるだろうかと、部品を捜してならべてみました。

Img_1358


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シャーシは市販の270×155×55㍉のアルミ弁当箱です。

出力管は6AR5。GE社のロゴが入ってますが、日本製です。前段は6AU6のオートバランス。OPTやPTは昔のパイオニアのレシーバーに使われていたもの。6BM8用のものです。

球が8本並ぶと、やかましくなってきます。前段を半導体の回路にすることも考えましたが、出てくる音は真空管らしさが薄れてしまいます。

前段を球でやると実装がやっかいです。狭い範囲での配線。ここは一番サブプレートにソケットも端子類もまとめておいて、最後にスペーサーとネジでシャーシに付ければ終り、としたいものです。6AU6も落とし込みなので、背が低くなって6AR5との高さのコントラストもおもしろくなります。

この2本は、それほど大きさ=長さが変らないのです。

チョークコイル(チョークトランスは間違った名前です。何度も言わせてもらいます。コイルは一巻しかありませんのでチョークはトランスフォームしません)。

小型のノグチ製10H150mAのものです。むき出しにしたくなくて、アルミでケースを作ろうと思ったのです。でもいろいろ考えてるうちに、そのままの姿をポンとシャーシの前面に置いてもいいじゃないかとの考えも。

むきだしを嫌ってケースに入れた方が見栄えがよい、というのは私の個人的な考えで、世の中そうでもなくて、そのままでも構わないという向きも結構あるようなのです。
 ではこのアンプはこの写真のままかというと、OPT部分はパンチングメタルを折曲げてカバーをかぶせようと思っています。

実はこのアンプの前段として、過去6AR5シングルをコンパクトに作ったことがあります。


Photo

このイメージです。このときのシャーシも市販のもっと小さいものでした。このアンプではチョークは使いませんでした。

ああなるほどPPだし、今回も使わないという選択もありますね。でもこのチョークはいつ出番がくるのでしょうか。

今度のPPは出力7~8W程度は出したいですね。前回と違い低音域の押し出しも結構あるでしょう。

まあ、楽しみですね。

2015年7月10日 (金)

命を削りながら

オークションにVT-52シングルアンプが出品されている。

いつも出品されている方で、今回もいつもながらのデザインのアンプだなあと思って、商品説明を読んでおどろいた。

癌と闘いながら、アンプを作っておられることが書いてあった。長く入院されていたが、今回退院し、体調のよいときは起き上がって製作されたとのこと。

もうこれで160台程度の出品回数になるそうだ。

過去から共通してシンプルなデザインで、必ずサイドウッドが着いている。そしてシングルアンプが多い。配線は丁寧できれいだ。

製作者のお人柄なのだろう。

現在は抗がん剤を服用されているとのこと。製作出品台数から言えば私の10倍を越える台数です。

 アンプを作り続けていると、製作者にしかわからない気持ちがある。これは言葉で表現できない感情である。

私はまだ寡作の部類だが、連続して続けるには、ある種の覚悟や決意が必要となる。シャーシ裏をみると、製作者の過去の変遷が分かる。なぜ今回、そこをそういう風に配線したかが読み取れるときがある。

 何台も繰り返していると、時には逡巡するときがある。新しい形を取り入れる決定に進むときもあれば、過去に戻るときもある。

最新作がノウハウ結晶の形を見せてくれる時もあれば、そうでない時もある。ただただ、作れるありがたみに感謝することもある。

しかしながら、この方のように自分の意思に反して作れなくなることもある。このときは苦しい。私だったらどうなるだろうか。

もう10年以上前になると思うが、北九州のKトランスの主宰者が、やはり病と闘いながら一巻、一巻、トランスを巻いたそうだ。周りの方の話を聞くとその鬼気迫る姿が、目に焼き付いて離れなかったそうだ。

私もあと20年元気でいられる保証はない。まして人はいつどうなるか分からない。

今できることは、このアンプは解体するのは勿体ないから、このままにしておこうと思っていただける作品になるよう、努力するということだろうと思う。

強行採決のその未来

安倍内閣は、安保法案を今月中旬には強行採決する予定だ。

国民から理解を得られてなかろうが、憲法違反が明確であろうが、構わずに可決させるようだ。

私は、ある数字に関心を寄せている。

それは自民党議員の中で何人の心ある、良識を備えた人たちが反対票を投じるか、あるいは棄権するかである。たくさんの人数がそうすれば、まだ政権党もすてたものではないと思っている。

さて、仮に強行採決された場合、その後どうなるかを考えてみた。

違憲立法ということで訴訟を起こされるでしょう。裁判官が普通の方だったら、この法案は憲法違反だと判決を下すでしょう。そうするとこの法案は廃案になります。廃案になりそうな法律を200億もかけて、会期延長して討論の延長を図った内閣も、これは罪に該当します。これも税金ですから。

だから最近は税金を払いたくないのです。

一方、この法案が未来にかけて存続した場合を想定します。この法案は、日本の同盟国が敵対国と戦争を始めた場合、その敵対国の動きが、日本国民の平和と安全を直接脅かす、と判断した場合は、地球の裏側にまででかけて、同盟国(可能性で言えばアメリカ)と一緒に戦争をする、そしてこれは自衛活動だ、という内容です。

過去、こんな事例があったかと、国会討論で問われた政府首脳は答えられませんでした。そういう事例はないからです。

この先も、このような事例は発生しないでしょう。なので適用されない、使われることのない法案だとして、埃をかぶったままになるでしょう。アメリカ首脳だって安倍総理の知能レベルはよく知っていますし、こんな無理矛盾だらけの法案が、適用されることがないと考えているでしょう。

数年先に、戦争をしたがっている安倍総理が、いやこの事態はまさに安保法案が適用される、と騒いでも理論的におかしいし、そう簡単に適用されないでしょう。それでもそれを押し通そうとすると、内閣はいよいよ国民から、総スカンを喰うことになるでしょう。

そのうち安倍総理も年をとり、政権から姿を消した時に、彼以外の政治家で、この法案を適用させようとする人物はいないでしょう。人に対する優しさを持った政治家は、現役時代にタカ派でも、棺桶に片足突っ込む頃には、平和が一番だと必ず言います。

 でも安倍さんは決して言わないでしょう。人に対する優しさを持ち合わせてないから。自分にはすごく優しいのですが。

それよりも私は、直近の選挙で安倍さんが政権から消えることを期待しているのです。彼以外ならだれでもマシです。バカで恥知らずは何をしでかすか分からないからです。

2015年7月 9日 (木)

ムラード型回路ノウハウ開示

今日は今まで、誰にも教えていなかった、回路ノウハウを開示します。

ご覧いただく方は、ラッキーですよ。

そのノウハウとは。真空管の選定と出てくる音の相関です。

ムラード型は初段、三極管で、次段へは直結となり、その次段=位相反転段も三極管で構成されます。

私は、出てくる音に繊細さが欲しければ

初段12AT7、次段12AU7を起用します。

そして、出てくる音に迫力が欲しければ

初段6AQ8、次段6CG7/6FQ7を使います。

12AT7も6AQ8も増幅率は60程度。12AU7も6CG7も増幅率は20で変わりありません。

何が違うのか、それはヒーター電力です。初段は6AQ8の方が、次段は6CG7の方がヒーター電流が大きいのです。

加えて、次段の球のプレートの面積をみれば、12AU7よりもはるかに6CG7の方が大きいのがわかります。

このあたりが、出てくる音のキャラクターを決定していると思います。

みなさんも、お試しください。きっと音の違いが分かると思います。

 ノウハウも今後は都度開示していきます。私がいつみなさんの前から消えてもいいように。

2015年7月 7日 (火)

ちょっとおもしろいもの

オークションで面白いものを落札した。しかも安価に。

Kya1

これ何だとおもいますか。SWの表示札が、穴に挿し込まれ曲げられています。

アルミのキャプ状のものが4個。


Kya2

裏からみれば、ボリュームが。これも帝通の文字などが刻印してある、旧い物です。

Kya3

実はこのアルミキャップは、抵抗を調整した後にかぶせて、そのまま抵抗値が変化しないようにする、カバーだったのです。

これが4個。アルミは旋盤を使って、中にネジが切ってありますし、側面は指で触ってもすべらないように、ロレット状にスジが加工してあります。

現在なら全て樹脂で作っているものです。

この時代は、こまかなものも丁寧に作っていました。

落札価格は250円。このキャップもVRも再利用するつもりです。

2015年7月 6日 (月)

807武骨アンプ ⑮ 今週は作業なし

電源トランスの電圧が確認できて一安心したところで、仕事も忙しくなり時間がとれなくなりました。

何だか、急いで作らなくてもいいような気がしてきました。

Bu1


Bu2

見てください。出力トランスの丸い角が光沢を放ち、協会2号色と呼ばれる日本放送協会指定の灰色が落ち着きと渋さをたたえています。

ヒーターが灯るとどんな感じになるか、確認したくて、すぐにでもヒーター配線を始めようとも思うのですが、抑えています。

はやく完成すると、別れも早く来ます。もう少し眺めていたい気持ちもあります。

それでゆっくり配線することにしました。牛鏝(ぎゅうまん)と言います。自分で考えた言葉です。

さあ、今から尼崎に出かけます。ではまた。

なでしこ お疲れさまでした

期待してましたが、負けてしまいました。

でも、よく決勝までがんばりました。大したものです。

宮間さん悔しかったでしょうが、最後まで堂々としていました。

 決勝での敗因は、今一歩の対策不足ではないかと思います。

ロイド、ハットトリックを達成しました。この選手を開始早々から、2人がかりで抑えて、「そう簡単に点は取らせないわよ」と印象付けておけばよかったですね。

いきなり、動きまわって点を取る選手。私はこういう選手を「暴れ馬」と呼んでいます。

暴れ馬はセオリーが通じません。相手がこう来るなら、こう対応しようという事前準備が通用しません。なにしろ暴れることがミッションですから。

なでしこはロイドという暴れ馬を試合前にどれだけ認識していたか。そして暴れ馬への固有対策をどの程度練っていたか。

ここが敗因だったと思います。

 負け試合はいろんなパターンの敗因があります。それらを全て分析して、対策をとっておけばよいのです。大丈夫、次の国際試合から準備万端でいけば勝てます。

選手、スタッフのみなさん、そして澤さんお疲れさまでした。

一緒に応援したみなさんもお疲れさまでした。

2015年7月 5日 (日)

父さん難聴

家内としゃべっていたら、下の息子が私のことを難聴じゃないの、と言ってたよと。

4日くらい前に、息子が急に「セミが鳴いてる」と私に言いました。今年の初鳴きのようです。

どれどれと、庭のほうのサッシのドアに近づいて、耳をすませたのですが、セミらしい声は聞こえません。

「今鳴いてる?」「鳴いてるよ、聞こえないの?」

結局わからずに、気まずいまま、不完全燃焼で終わりました。

その2日後、今度は家内が私に言いました。「今セミが鳴いてる」

また分からなかったらいやなので、もう聴くまいと思ったのですが、気を取り直してトライしてみた。

「どんな声で鳴いてる?」「ジ、ジ、ジッて鳴いてるよ」

耳をすませると、確かに聴こえます。内心安堵しました。

そして、家内からの下の息子の「お父さん難聴」発言です。それを受けて家内にいいました。

「人は雑踏から特定の音を聴くときに、その音をイメージして探しにいくものだ。
 この前の最初のセミのときは、おれはシャーッという音をイメージして探しにいった。けどもシャーは聴こえなかった。
 でもあなたからセミが鳴いてると教えられたときに、おれはどんな声で鳴いてるかきいたよね。ジ、ジ、ジッて鳴いてるよ言われたので、その音を捜しにいったら、すぐに見つけられた。
 息子はあんな性格だから、人に分かりやすく説明しようとか、普段から話を5W1Hでしゃべろうとしないよね。思い込みが強くて自分中心だから。おれもその時、どんな声で鳴いているか、あいつに聞くのもおっくうだったから黙ってた。
 なのでおれは、難聴ではないと思う。セミの鳴き声をイメージできなかっただけだ」

家内は言った。「でも普段私が言ったことを、今なんて言ったって聞き返すことが多いよね。違う人が来たって言ったのに、中学生が来た?って聞き返したり」

たしかに、聴き間違いの事例は多い。家内の言うとおりだ。これについても考察してみた。

家内はパソコンに向かっているとき、独り言を言うことがある。そのたびに、「え、なに?」と聞いていたが、「いや独り言よ」と言われることがある。

そうなると、もう家内の言葉すべてに耳を傾けなくなる。つまり聴きます体制のスイッチが入ってないのだ。

SW-OFFのときに、いきなりしゃべられても、インプットされてないので内容は理解できない。音声も抑揚などの大まかなイメージは分かるが、詳細に把握できていない。なので「えっ、何て言った?」となってしまう。

聴こえないのではなく、聴いていないのだ。

ではなぜ、SW-OFFの機会が増えたのかについても考察してみた。

1番目の理由は、加齢により、家のなかでの会話がおっくうになってきた。

2番目は、本当はこちらの方が根本原因だと思うが、若かった頃は自分が家族の中心で、どんなことも家内から相談や連絡を受けていたので、常に家内の声に耳が向いていた。いつも耳はON状態だったのだ。
 ところが、子供たちも大きくなり、今や家庭の会話は家内と息子たちがメインになってしまった。
 加えて愚痴っぽくなった私と、家族はあまり率先して会話をしようとしない。

以上から、私は耳はまだ健康だが、OFF状態が多く、難聴と思われてしまっているようだ。

この前もきちんとテストCDの40Hzの低音は確認できたのです。

2015年7月 4日 (土)

なでしこ頑張れ

近頃いいニュースがない。新幹線の中で燃料をかぶる人。借金の返済や別れ話のもつれから、平気で人の命を奪う人。

 もっとも国が率先して人を殺すことを、国会で決めようとしているので、庶民もそれにならって、一人くらいはいいのかなと考え始めているのかもしれない。

国家の堕落はこうやって始まる。全てはその国のトップで決まってしまう。

本当にいいニュースがない。近頃あるといえば、なでしこジャパンのW杯決勝進出くらいだ。

ここまできたら、思い切りやって欲しい。実力を出し切ればいい結果は出るかもしれないし、納得がいくなら結果にはこだわらない。

近頃なでしこのある選手が気になる。これは恋愛感情に近いといってもいい。

誰だと思いますか。川澄奈穂美選手?いや違います。

宮間あや選手です。彼女は大した人です。人間としてすばらしい。仲間を大事に、相手選手にも敬意を表します。

そしてサッカーの実力も秀でています。

彼女が小学校のとき、なでしこに入ったばかりの若かった澤さんたちと、練習をしているビデオが残っています。大人が子供たちを指導するといった催しものだったようです。

 ところがこの小学生は大人からボールをひょいと奪い、ドリブルを始めます。

 インタビューを受けていた澤さんが、あわててプレイに加わり、大人2人で小学生を押さえにいくという絵が残っています。

宮間選手は幼いころからすごかったのです。

私は彼女がすきだなあ。浮いた噂もないようだし。でも残念ながら私は50代後半でいい年をした息子たちもいます。

結婚はむりだなあ。同じ世代に生まれたかったなあ。ま、決勝は一生懸命応援しようっと。

2015年7月 2日 (木)

だれに謝罪すべきか

子分の報道圧力発言を受けて、総理大臣は連立を組んでる政党に、迷惑をかけて申し訳ないと謝罪しました。

本来は、とんでもない議員が法律を無視してまで、メディアをこらしめろと述べたわけですから、これは公党の党首として、国民に真っ先に謝罪すべきなのです。

ここまで国民をバカにした政治家はかつていませんでした。国民の声も全く無視したままです。

過去、選挙後に有権者が街頭インタビューを受けて、政権に批判的な発言をしたら、その方にキレていました。

こんな頭の悪い人間に日本の政治をまかせていると、日本は大変なことになります。いやすでに大変になっています。

福嶋第一原発事故は解決していません。汚染水タンクはどんどん増えています。沖縄の辺野古の米軍基地移設も解決しようとしていません。話し合いすらしようとしません。北朝鮮拉致被害者問題も膠着状態です。年金情報が流出しても積極的に動いていません。じつはこれはとてつもなく危険な事件です。

更には日本の負債がどんどん増え続けています。実のところギリシャよりも日本の負債のほうが大きいのです。派遣法の改悪によりいよいよ若者の収入が減り、税収が減り、人口も減っています。

メディアに圧力をかけて、それほど報道させてないから大騒ぎになっていませんが、実際はそれどころではないのです。

思考能力、交渉能力、調整能力、弱者・虐げられた人々への思いやり。これらがこの政治家にはまったく備わっていないのです。

では彼のどこが秀でているか。それは金や権力を利用した狡猾なたくらみ(報道規制、党内制圧力)と自己実現欲(ダダッ子のような)くらいでしょう。

マイルス・デイビスはアメリカという国がいかに腐っているか、それをしゃべり続けるのに2週間あっても足りない、と発言しました。

この政治家がいかにひどいかは、2時間あれば事足りると思います。薄っぺらくて簡単だからです。頭の悪さを事例で証明することになりますが、持って2時間です。

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