« 807武骨アンプ ⑪ 針金がシャーシ内に | トップページ | 報道への圧力 »

2015年6月29日 (月)

807武骨アンプ ⑫ ひっくり返さずバイアス調整

重さが20Kgを超えるアンプや、このアンプのように26kg程度の重量級アンプは、そうたびたびひっくり返してシャーシの底板を開けることは容易ではありません。

ヘタをするとギックリ腰になったり、足の上にアンプを落としたりと、労働安全衛生の面でもよろしくありません。

品質的には、裏返した時に、床面と接するトランスの頭がこすれて塗料が剥がれたりすることもあります。実際私はできあがったばかりのアンプで床面との間の養生を忘れてこれをやってしまったことがあります。

 後悔先に立たず、泣く泣くアンプに新聞紙を被せて養生し、トランスだけを再塗装した経験があります。

なので、結構前から、固定バイアス方式のアンプは、ひっくり返すことなく調整できるようにしています。

1.原理

  ではどこの電流を見ているのか説明します。固定バイアス回路は、出力管の第一グリッドのバイアス電位を調整して、出力管のアイドリング電流=カソード電流(プレート電流+スクリーングリッド電流)を目的の値に合わせます。

  Cバイアス回路の可変抵抗の頭を、シャーシから外に覗かせればよいわけです。

 さらにはテストポイントは出力管のカソードの電位を測定します。私は通常固定バイアス回路のときは、カソードに10Ω/2Wの抵抗をつないでアースに落としています。

 もしアイドリング電流=カソード電流=プレート電流+スクリーングリッド電流を45mAにしたければ、その出力管用のバイアス回路の可変抵抗を調整すればよいわけです。この時は直流電流計ではなく、電圧計を使います。

原理的には、直流電圧でフルスケール1.0Vレンジでテスターを使えばよいわけです。

 カソード電圧=10Ω×0.045A=0.45Vになります。テスターが0.45Vの表示をすればよいわけです。

2.回路

 実際には、バイアス可変抵抗の軸の頭を、シャーシから調整できるように、露出させておけばよいのです。その他には、4本の出力管のカソードの接続を切り替えられるように、1回路4接点のロータリーSWが必要です。

 そしてロータリーSWのコモン端子から、テスターに接続できるように、端子(+とー)を設けて、これもシャーシの外から接続できるようにしておけばよいのです。

3.実際の写真

Img_1335

807のそばに1個ずつバイアス調整用VRを配置しました。今回は少し配置を変えました、通常作るアンプはバイアス用VRを4個ならべて、軸もシャーシ前面に出すパターンが多いのです。

 真ん中2個の端子はバイアス用ではなく、プレートに接続するための端子です。807ならではの端子です。


Img_1328

これはテスターのリード棒差し込み用端子(+とー)です。通常はエンブレムプレートで隠しています。

Img_1338

これが、カソード端子切り替え用のロータリーSWです。出力管4本のカソードから、それぞれリード線を引っ張ってきています。そしてコモン端子から、上の写真のテスター端子に接続しています。

4接点あれば事足りますが、ここでは5接点仕様を使って、1端子は遊びにしています。

4.運用方法

 まずテスターのリード棒を挿し込み、フルスケールをDC1.0Vにセット。

 次に、調整したい出力管をロータリーSWで選択。その後テスターを見ながら、バイアス可変VRを加減して、0.45Vに合わせればよいのです。

 順次、V2 、V3、V4と切り替えながら調整していきます。

ここでコツがあります。出力管の特性が4本、よく揃っているときは、V1で調整後、他の3個のVRの軸を調整前に概略でV1の位置と同程度の位置に回しておきます。

そうすると、PPの2本の電流が一時的でも大きくアンバランスする時間を短くできます。このアンバランスはOPTにもよくないのです。

このバイアスを外から調整方式はとても便利です。

1.多種の出力管が簡単に挿し替えできます。ひっくり返す手間がいりません。

2.ときどきに出力管の状態を簡単にチェックできます。バイアス電流は調整しても、長時間立つとドリフトして変化することがあります。その確認もできます。

 何だか左右の音の大きさがそろってないとか、そういった場合に、1本ずつ電流値が確認できます。そろそろ寿命が近づいたときなどもすぐに発見できます。

いかがでしょうか、みなさんも固定バイアスの場合はこの方法をご検討ください。

« 807武骨アンプ ⑪ 針金がシャーシ内に | トップページ | 報道への圧力 »

アンプ製作記事」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1050852/60554143

この記事へのトラックバック一覧です: 807武骨アンプ ⑫ ひっくり返さずバイアス調整:

« 807武骨アンプ ⑪ 針金がシャーシ内に | トップページ | 報道への圧力 »

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ