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2015年3月16日 (月)

プロジェクト2 WE300BPP ㉒ 完成して300Bの考察をしました

今日完成しました。

できてあせりました。残留ノイズが2.5mVから下がりません。ハムバランサで調整しても振り切ったMAXの位置がノイズ最少なのです。

通常ならハムバランサの真ん中あたりで最少になるのですが、調整不可能です。

取りあえず実行したのは、4本の300Bのペアの組み合わせをとっかえ、ひっかえして最小になるようにしました。

それでも右1.1mV、左1.4mVです。

私はこのアンプを2WAYマルチの高域用と低域用のそれぞれに使用して様子をみようと考えていました。

高域用アンプとしてセットしたところ、上記のノイズでも能率100dBのドライバーから結構耳障りな音が聴こえます。交流由来の第何調波かのハムです。

これでは世間に出せません。出品はとうてい無理です。絶望しました。

分解しようか、いやいや傍熱管を乗せ換えようか、いや直流点火にしてみようか。あれこれ悩みました。

通常300BはプッシュプルでAC点火ならノイズはどれくらいだろうかと雑誌で調べました。松並希活さんの記事では0.7mVです。ううむ負けていられません。何とか解決しなければなりません。本気で直流点火まで考えました。ハムバランサの変更も考えました。

 まてよ、前段の6SN7に目を付けました。物入れからありったけ持ってきました。全部で12本/6ペアあります。実機に挿すのは2ペアです。

Img_1072


2本ずつ挿し替えて、都度ハムバランサを調整してみました。GEのペアとPHILCOのペアのときにハムバランサ内で最少ポイントが確認できました。右はGEのペアで0.3mVに。左はPHILCOで0.6mVまで下がりました。

これで一安心。生きた心地がしました。GT管は球により、ノイズレベルの差が激しいことが分りました。

やはり前段はMT管が一番です。MT管の優秀さといったらありません。

そして、アンプを高域、低域とつないで鳴らしてみました。相棒のアンプは6GB8のPPです。


Img_1068

こんどはノイズは気になりません。高域では相変わらずの300Bの音です。情報量が多くて柔らかい音。

さて今度は低域です。目指す音が実現できたかどうか、このとき高域アンプは6GB8PPです。

6GB8は結構やります。しっかりしてクリアな音です。WE300BPPの低域は、思わず「ほう」と声が出ました。

以前聴いた音に比べて、密度があります。以前を75%の密度とするなら今回は90%程度にアップしています。押し出しも傍熱管なみです。

6L6GCやEL34に引けを取りません。うまくいきました。アクロサウンドのA431というトランス。プラスでダイオード整流。これが功を奏していると思います。

武末数馬さんは、300Bには整流管を使わなかったそうです。おそらく何かを感じられたのでしょう。

 再度高域につなぎかえて、WE300Bアンプをずっと聴いてみました。

やはり私はこのアンプを常用する気になれないのです。聴いていて眠くなってしまいます。WE300Bのアンプはスピーカの間にスクリーンを張ります。そのスクリーン上にはたくさんの音が横溢しています。アタックは柔らかく、きれいで振動・余韻の多い音たち。これをある人達は安定感、安心感と表現しているのかもしれません。万人が認めるWE300Bの性格、素性です。

でも私個人としては聴いていてどきどきしません。優しくて、柔らかく、心地よいのですが、人間と同じで怒ることなく、いつも優しい人は刺激や悦楽を与えてくれません。

もっと電圧を上げ、電流を流せば変わるのかもしれませんし、オールドエイジのWE300Bならまた違うのかもしれません。88年製の個体だけで判断するのも乱暴かもしれません。ただ無理をして高価な球の寿命を縮めたくないのです。

一方、傍熱管はスクリーンを張りません。ただスピーカの間に必要な音だけが、必要な位置に現れます。アタックが強かったり、きれいに伸びたり。ささやいたり。

スクリーン上で繰り広げられるWE300B劇場は、私にはあまり刺激がないのです。確かにクリアで情報量が多く、美しいのですが。

このあたりが、WE300Bを常用とする人が少ない所以なのかもしれません。300B 比較試聴大会でWEより中国製のほうが人気がでるのは、中国製が刺激的だからかもしれません。

欧州の直熱管はたとえばDA30はアタックも強く、美しく、ハラハラさせてくれます。このあたりが米国製300Bとの違いです。

さて、明日以降に測定をします。

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コメント

ハゼドンさん、こんにちは。
本物のWE300Bの音を聴く機会は世間ではあまりないのかもしれませんね。是非一度は聴いてみたいというお気持ちはよくわかります。
 このアンプに挿した88年製の300Bの音は、率直に言って魅力に乏しいです。おそらく聴かれたらなんだこの程度か、となると思います。

本当のWE300Bの魅力を知っている方々は、歳月を忘れて取り組まれて、一音一音を引き出すために涙ぐましい努力をされていると思います。その方々のアンプならきっとすごい音がすると思います。

私のアンプは、流れ作業の一丁上がりですから。

お手持ちのMQ431搭載の6L6GCアンプ。こちらの方が魅力的な音がします。私はそのアンプが懐かしく、近々自分用に全く同じアンプを作りたいと思っています。カッコいいですしね。

トニー様

WE300BPPアンプ完成おめでとうございます。
アクロサウンドとのコンビネーション、是非聴いてみたいと思います。
次元を超えた音色、体験してみたいです。
ただ、高価すぎるWEです。
普段使いのアンプには、少々勇気が必要です。

300B4本本当に処分されるのですね。
どんな方が、所有されるのかも楽しみです。
ALTEC党だといいですね。

KAORUさん
お褒めの言葉をいただきありがとうございます。実体配線図を描くときは、未だにこの線はここを通していいのだろうかと、心配になることがありますが、結果的にトラブルはあまり起きていないようです。

さて直流、交流の点火方式ですが、私のあくまでの個人的意見ですが、直流は音がスッキリする印象で、交流はそうでないと言ったところです。

浅野勇さんはPX4のシングルでも交流点火でしたね。私も追試しましたが、ハムが多くて困ったことがあります。あの頃はダイオードもなかったのでしょうね。

さてVT52。浅野さんもこの球を起用されていました。素材にこだわるとのこと、お気に入りの部品を半田付けしていくときは、結構な快感ですね。

完成したらまた、写真をお送りください。楽しみにしています。

トニー様
300BPPアンプ完成おめでとうございます。
回路の公開ありがとうございます。
今回はじめてではないでしょうか
実体配線図も注意事項等、大変勉強になりました。
シャシー内をフルにつかつた、配置、綺麗な配線、機能的にも優れていると思いました。

>300Bは交流点火で行います。太い音を出したいからです。とありますが、交流点火の方が低域に有利なのでしょうか?
浅野勇さんの時代の作例では、300Bをはじめ50VT25までが、AC点火ですが
低電圧、高電流のダイオードがなかつたか、高価だったと思います。

さて、VT52シングルアンプ用のトランスなど、なんとか確保できましたので、製作に移りたいと思っています。
シングルアンプは直流磁化の問題で、低域特性はあまりよくない、歪率特性も劣りますが、聴いてみると透明感のあるしっとりした音がします。
データーだけでは評価できない真空管アンプの奥深いところだと思います。
今回のテーマは素材の味を生かしてです。
スパイスが効いた料理ではなく、お刺身定食の様な物です
はたして、うまく出来るかな、、

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