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2008年11月24日 (月)

アルテック604E:12年間格闘記

先般銀箱から604Eを外して803Bを取り付けました。12年間の604Eの使用に終止符がうたれたことになります。

取り替えた理由はゆったりとして、軽い低音が欲しかったこと。

604Eの使用履歴を説明しますと、11年間は銀箱に入ったままの、オリジナルのネットワーク(N1500A)での使用です。

仕様を記載しますと

604E 1967年開発 インピーダンス 8~16Ω(実際は12Ω)、クロスオーバー周波数1500Hz、感度101dB、再生周波数20~22,000Hz、許容入力35W(ピーク50W)、マグネット:アルニコ5型永久磁石(低域・高域共通)、マグネット重量:低域2.0Kg・高域0.54Kg、磁束密度:低域13000gauss・高域15,500gauss、外形寸法:φ38.9×28.3cm、重量15.3kg

これから一見して分かることは、磁束密度は高域のほうが強い、つまり磁力が強いと言うことです。スピーカーの振動板を前後に振動させて、音を前に放出する力はF=BIlsinθになり、磁束密度に比例することになります。Fは高域の方が振動版面積がはるかに小さく小刻みの振動のためそれほど必要ないのです。この磁力はFが小さくて済む高域には十分すぎるような印象です。

この時点で、低域よりも高域のほうがなんとなく強い音が出そうです。また604Eの低域の振動板の面積は416A等の38cmウーファーに対し、高域ドライバーの開口部が振動板の真ん中にきているため、少なくなっています。この分低域再生にやや不利だと思われます。

銀箱で聴いた音は、中域が元気よく、低域はやや引っ込みがち。

1.再生時に注意したことは

①多極管PPアンプで駆動する。低域の押し出しを強くするため。直熱管シングルでは低域はやや弱くなる。

②銀箱は太い1辺15cmの角材を前面横置きにして、その上にのせ箱の下にも見かけ上のバッフル面積をかせぐ形にした。少しは効果があったようです。また箱の後もスペースを確保して、ゆったりさせました。

2.銀箱そのままの音の印象は

①情報量が多い。バイオリンは擦音が生々しい。細かな音、弓の切れそうな状態とか、トランペットの管のなかにたまった唾の状態、管の中の音圧が分かる印象。サックスはサブトーンやマウスピースの中の唾のたまり具合がわかります。

②録音状態をそのまま再生する。ソースのアラがそのまま出るためごまかしがきかない。音質の悪いものはそのまま、よいものもそのまま再生。つながる機械、カートリッジやイコライザや、CDプレイヤー、DACの音がそのまま再生されます。トラックダウンされたCDの各トラックごとの相関がわかります。不自然か融和しているか等。

③そして全体に、乾いた音が飛び出してくる印象。

3.なぜ2CHマルチ(604Eをウーファーとして、新たにドライバー806Aを追加)としたくなったか

①604Eのドライバー部(=802D)が私の視聴環境(5畳)では強すぎるため。高域を絞ると低域も弱まる。それぞれを別アンプで駆動して音圧のバランスを取りたかったため。

4.ドライバー806Aを追加して604Eをウーファーとして使用してからの印象は

①2CHマルチアンプシステムのウ-ファーとしての604Eは、個別に音量が上げられるため不足は感じなかった。ただし長く引く余韻はあまり感じなかった。ズバッ、ズバッという印象。いわゆるモニター的な音であった。

5.どうしても604E単発で使いたいときは

①銀箱そのままでの使用なら、バッフル面積を工夫して稼ぐ。箱の後スペースの利用。多極管PPアンプを使う。これで低域を補う。

②どうしても低域の不足を補いたいなら、大きなバスレフエンクロージャーに入れる。あるいは604E1本を高・低に分け2CHマルチでドライブする。

まとめ

604Eがモニタースピーカーたるゆえんは、あえて低域を押さえているからだと推測します。中高域を強調して、音の一つ一つの情報量を多くしているのだと思います。

結局そういう設計思想のユニットなのです。この情報量こそが604Eのオリジナリティーです。

私は低音がほしくなって803B+806Aに切り替えてしまいました。ちなみに私の部屋、私の耳では低い方の周波数は803Bでは30Hz、604Eでは40Hzが聞き取れる限界です。

802Dにせず806Aにしたのは802Dが強すぎるため。今はこのシステムで604Eの音に近づけることを目指しています。

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